一般演題[ 業務・取り組み ]

O-099
当院臨床工学技士における心臓カテーテル業務参入への取り組み

藤井 康行、中村 達哉、砂川 航輝、土井 優鷹、藤川 沙也加、吉次 絵美、山本 将平、 樋口 彰、西村 昌紘、有馬 敬宏、辻原 恵、住本 一紀、和久 益寛、岡村 清美
JCHO徳山中央病院 臨床工学部

【はじめに】
 当院は病床数519床の三次救急医療機関であり,2部屋のカテ室を有している.2017年度カテ実施件数はCAG:814件,PCI:401件,PMI+PME:89件,EVT:67件,不整脈に関しては年間EPS:29件,アブレーション:143件と県内でも多い件数を実施している.今までカテーテル業務は循環器医師,看護師,放射線技師,臨床検査技師により行われていた.臨床工学技士(CE: Clinical Engineer)は,当直者が夜間・休日の緊急カテやIABP,PCPS等の補助循環装置の操作のみでカテ業務に携わっていた.2016年度より3名のCEがルーチンのカテーテル業務に参入したことによる現状と今後の課題を報告する.

【業務内容】
 参入時CAG,PCIにおいてはポリグラフの操作やIVUS,OCTなど画像診断装置,その他カテ室内の機器操作,インターベンションの記録,物品出し等を臨床検査技師よりマンツーマンで教授を受けた.また,ペースメーカー植込術やカテーテルアブレーションにも立ち会い,ポリグラフで各電位の記録,スティムレータの操作,アブカテの通電操作等も行なった.現在では検査や治療を1人でもこなせるようになり,補助循環が必要な場合は,即座に対応しコメディカル間で協力を取り合っている.

【結果】
 以前は検査技師への業務負担が非常に大きかったが,CEが参入し同じ業務を行うことで負担の軽減となり対応が早くなるなど余裕が生まれた.検査技師は心電図やエコー画像に精通,CEは医療機器に精通しており,それぞれの目線で業務にあたることで職種の強みを業務へ活かせるようになった.また,当院のCEは兼任制度をとっており,各分野で得た知識を活かせることも強みである.問題点としては,1名ずつの配置となるため,全員が毎日の検査に就くことが難しく,ひとりあたりの回数もまばらになっている.これにより経験する症例も異なるためCE間で技術や知識の個人差が生じている.

【考察】
 カテーテル室におけるCEの役割は多岐にわたっており,更に広がることが予想される.これに伴い,よりスムーズな検査や治療に貢献できるよう積極的にチームへ参加し,カテ室においてCEがさらに必要とされる存在になることが必要である.今後とも,定期的な勉強会の開催や業務マニュアルの作成などを行い,レベルの統一と更なる研鑽を行っていきたい.

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