一般演題[ 血液透析(評価・その他)]
O-096
血液透析シミュレータシステムにおけるトレーニング方法の検討
岡田 賢太郎(1)、西手 芳明(1)、小野 晴香(2)、竹澤 真吾(3)
- 近畿大学 生物理工学部 医用工学科
- 飯塚病院 臨床工学部
- 九州保健福祉大学 保健科学部 臨床工学科
【背景】
血液透析患者は年々増加傾向にあり,透析装置は生命維持管理装置として多くの患者に使用されている.また,治療中の事故も年々増加していることから,透析装置からの警報にいち早く気づき,対処する能力が必要不可欠となっている.
【目的】
シミュレータシステムを用いたトレーニング方法により,トラブル対処技術の向上および対処時間を短縮することを目的とする.
【方法】
ボランティア学生3名を対象とし,シミュレータのトラブル5項目(脱血不良,ダイアライザ閉塞,漏血,返血回路外れ及び閉塞)に対し,透析装置からの警報発生から治療の再開までの反応・操作時間の測定を行う.トレーニングは各々5回行い5項目の合計時間を平均(秒)±標準偏差で記録し比較・検討を行う.また,事前説明は初回のみ口頭で個々に5分程度行い,次のトレーニングまでの間隔は4週間以内とする.使用機器は日機装社製DBG®-03で,血液流量を200ml/min,透析液流量を500ml/min,設定除水量を0ml/minとする.
【結果】
3名の合計測定平均時間は,1回目248秒(±72),2回目238秒(±55),3回目150秒(±8),4回目184秒(±67),5回目136秒(±60)となり,トレーニングを重ねるごとに測定時間の短縮が認められた.特に,トレーニング1回目の測定時間に比べて,5回目の測定時間が大幅に短縮していた.(P=0.02)
【考察】
結果から,シミュレータシステムを用いてトレーニングを反復して行うことにより,対処方法を学習記憶し,透析装置の操作技術が向上すると考えられる.また警報発生時の事象を理解することにより,徐々に短い時間でトラブル箇所が特定でき,適切な対処が行えると考えられる.
【まとめ】
シミュレータシステムを用いた反復トレーニングを行うことにより,トラブル対処技術の向上および対処時間の短縮が可能となることが示唆された.
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