一般演題[ 急性血液浄化・アフェレシス ]
O-084
各種持続的血液濾過器おける透水性の検討
末永 健二、上野 秀則、加藤 光貴、大西 啓太、藤原 恵莉、落葉 佑昌、岩藤 晋
岡山大学病院 臨床工学部
【緒言】
持続的血液濾過器(以下ヘモフィルタ―)の透水性を評価する項目として限外濾過率(以下UFR)がある.ヘモフィルタ―のUFRは,各社添付文書に記載されている.しかし,UFRの測定条件はヘモフィルタ―によって異なっており統一されていない.
【目的】
当院で使用している持続的血液濾過器の透水性についてプライミングを行う際に一定の条件下で水系実験を行い,UFRを算出し比較する.
【方法】
ヘモフィルタ―は,旭化成社製AEF1.0 (AEF),東レ・メディカル社製 SHG1.0(SHG),二プロ社製UT-1100S (UT), バクスター社製sepXiris100(SEP),以上4種類について比較検討を行った.使用機器は東レ・メディカル社製 TR-55X,回路は当院専用回路を用いた.まず,生理食塩水2000mlの内1000mlを用いてヘモフィルタ―中空糸内外を洗浄した後,残りの1000mlのバックと濾液出口との間に一定の落差を設ける.濾液出口には計量器をセットし,濾液出口から50ml流れてくる時間を計測しその時TR-55Xに表示されている膜間圧力差(以下TMP)を記録した.この時,ヘモフィルタ―の血液側出口はクランプした.測定した秒数とTMP,各膜の膜面積を用いてUFR(ml/hr・m2・mmHg)を算出し分散検定を用いて比較した.なお有意差はP<0.01とした.
【結果】
今回の水系実験より各膜のUFRは,AEF:155.9±6.2,SHG:285.7±6.4,UT:86.8±3.8,SEP:48.5±1.6(P<0.01)であった.またTMPは,AEF:50.6±1.1,SHG:35.4±0.6,UT:61.2±1.1,SEP:25.4±0.89(P<0.01)であった.UFRはSHG>AEF>UT>SEPの順となりSHGが最も高い値となった.そして,TMPではUT>AEF>SHG>SEPとなりUTが最も高い値となった.
【結語】
計4種類のヘモフィルタ―について一定の条件下で比較検討を行ったことで各膜の性能を定量化することができた.またSHGが最もTMPを低く抑えることができ透水性能が良好だった.
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