一般演題[ 心臓カテーテル・不整脈 ]
O-077
RFテレメトリー時にプログラマが誤動作した3症例
万殿 敏文、松本 孟大、津々池 満雄、足立 哲哉
一般財団法人津山慈風会 津山中央病院 臨床工学部
【症例1】
80代女性.SSSで2016年3月ペースメーカ(以下PM)植込み.7日後,病室にてRFテレメトリー(以下RFT)でチェックした.波高値測定後,フリーズ画面を開いた際に患者が意識消失し,心電図を確認するとペーシングがおこなわれていなかった.プログラムボタンを押してペーシングを再開し,患者に意識が戻ったことを確認した.
【症例2】
90代女性.CAVBで2016年2月PM植込み.翌年,消化器内視鏡検査前に内視鏡室にてRFTでチェックした.読み込み直後にプログラマがフリーズしたため電源ボタンを押し,電源をOFFした.再度電源を立ち上げるとプログラマは通常通り動作した.
【症例3】
70代男性.CAVBで2018年4月PM植込み.2日後,病室にてRFTでチェックした.読み込み直後にプログラマがフリーズしたため,症例2と同様に対応した.
【メーカーによるデータ解析結果】
症例1,症例2共にプログラマ内部のデータには事象の記録が残っていなかった.プログラマ自体も分析したが不具合は再現せず,問題は認められなかった.本事象が通信環境に起因するエラー等の可能性が示唆された.症例3はメーカー解析中であった.
【対応】
症例1,症例2の結果を受け,当院の環境由来の原因を疑い,調査をおこなった.
【調査方法】
交流電界及び交流磁界はCombinova社製FD1,静磁界はLakeShore社製磁界計測器410で計測した.測定は病室のコンセントや電源を有する機器を中心とし,被対象物に密着状態と20cm離した点でおこなった.
【結果】
冷蔵庫及び非接触式カードリーダーに密着状態で交流電界が高値を示した.
【考察】
交流電界から影響を受ける基準値は植込みデバイスのものであり,必ずしもプログラマに影響を与えるとは言えないが,症例1は冷蔵庫付近で使用した時に発生しており,否定できない.症例2は電気メスや内視鏡システム付近で使用しており,医療機器由来の影響の可能性も考えられる.調査後に症例3の解析結果が届き,USBの差込口などを通してプログラマに静電気が流れたことが原因と推察されたとのことだった.症例3に関してはデータ読み込みの間にPDF出力用のUSBメモリーを挿したため,人体から静電気が伝わった可能性がある.
【まとめ】
RFT時にEMIと静電気が原因の可能性があるプログラマの誤動作を経験した.
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