一般演題[ 心臓カテーテル・不整脈 ]

O-075
リードレスペースメーカと従来のペースメーカの比較検討

堀川 卓志、山田 和典、高橋 好美、光家 努
高松赤十字病院 医療技術部 臨床工学課

【はじめに】
 当院では2017年9月1日よりリードレスペースメーカ(以下Micra)を導入した.Micraは鼠径部から大腿静脈を経由して心内に留置を行う小型化されたデバイスであり,リードを留置するペースメーカ(以下PM)と比較するとPM本体を収納する皮下ポケットの作成や経静脈的に心内に留置するリードの挿入が不要となることから手術時間や入院日数の減少が見込まれる.今回,Micra群とVVIリードを留置したPM(VVIPM群)で比較検討したので報告する.

【対象・方法】
 Micra群の12名およびVVIPM群の9名を対象とし,年齢,適応疾患,手術時間,入院日数を比較した.

【結果】
 平均年齢(歳)は,Micra群:VVIPM群=82.3:80.3(p=0.66)と有意差がなかった.適応疾患は洞機能不全症候群(名)がMicra群:VVIPM群=7:0,房室ブロック(名)がMicra群:VVIPM群=2:1,徐脈性心房細動(名)がMicra群:VVIPM群=0:8,その他(名)がMicra群:VVIPM群=3:0であった.平均手術時間(分)はMicra群:VVIPM群=80.7:137.7(p<0.05),平均入院日数(日)はMicra群:VVIPM群=12.5:25(p<0.05)と有意差を認めた.

【考察】
 今回,年齢で有意差は認められなかったが,手術時間や入院日数が短縮できることができるMicraは今後,早期離床や早期退院を望む患者には有用であると考えられる.また,皮下ポケットの作成等で感染の危険性が高い患者に対してもMicraは有用であると思われる.

【結語】
 Micraを導入したのでPMとの比較をし報告した.今後,Micraを使用することによって,早期の退院を希望する場合や感染の危険性が高い患者に対し,Micraの適応であれば症例が増加していくと思われる.今後の多様化するPMデバイスに対し臨床工学技士として安全で質の高い医療提供に努めていきたい.

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