一般演題[ 心臓カテーテル・不整脈 ]

O-073
FFRの測定回数がプレッシャードリフトに与える影響

浅木 康志、石原 隆史、山田 文哉
愛媛大学医学部附属病院 ME機器センター

【背景】
 冠血流予備量比(FFR)の測定におけるドリフトはピットフォールの1つであり,時間経過に伴うワイヤーの耐久性低下がドリフトを誘発することも報告されている.今回我々はワイヤーの耐久性を考慮し,FFRの測定回数がドリフト発生に与える影響について検討した.

【対象および方法】
 2016 年1月から2017年6月までに FFR を測定した安定狭心症患者119例(173病変)を対象とした(男性85例,平均年齢 71歳).Pullback後のPaとPdの差が±1mmHgを超えた場合にドリフト陽性と判断した.FFR測定1回目と2回目以降に分類して比較検討した.

【結果】
 FFRの測定回数は1回目が119回,2回目以降が54回であり,合計173回のFFRを測定した.ドリフト陽性率は,1回目25.2%,2回目以降25.9%(p=0.92),ドリフトの絶対値は1回目が0.4±1.2 mmHg,2回目以降が0.5±1.5 mmHgであり(p=0.57),それぞれ両群間で有意差は認めなかった.複数回FFRを計測した39症例(93回の測定)における検討でも,ドリフト陽性率は,1回目33.3%,2回目以降25.9%(p=0.44),ドリフトの絶対値は1回目0.3±0.9 mmHg,2回目以降0.5±1.5 mmHgであり(p=0.44),それぞれ両群間で有意差は認めなかった.

【結語】
 日常臨床の範囲におけるFFR測定において,ドリフトの発生は測定回数によって大きく影響されないことが示唆された.

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