一般演題[ ME機器(評価・システム)]

O-071
位置情報システムを導入して

川田 弾(1)、濱田 政彰(2)、嶋崎 啓太(2)、戸梶 博史(2)、 徳久 健人(2)、岡田 恒典(1)、谷内 亮水(3)
  1. 高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 臨床工学科
  2. 高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 医療機器管理科
  3. 高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 医療技術局長

【背景】
 当院では貸出端末にてバーコードで登録し,機器の貸出管理を行っていた.無人での端末登録制のため貸出処理をせずに持ち出すと行方不明となりアリバイ管理ができなくなることや,転棟のたびに機器の付け替えの手間がかかり,設定間違え等のインシデントにもつながっていた.また,機器の過不足が把握しづらく,適正台数がわからない等,運用に問題があった.

【方法】
 今回,これらの問題点を解消し,安全性・効率性の向上と運用改善によるコスト削減を実現する為,位置情報システムを導入することとなったので報告する.なお,位置情報システムにはVPS(礫川デザイン事務所社製)を採用し,位置情報を割り出す方法には,ICタグを用いてMEシステムに五分おきに情報が反映されるようになっており,位置情報としての活用を行っている.

【結果】
 機器の貸出登録処理や患者転棟時における機器の付け替えの手間が省けた.また,使用したい機器の所在だけでなく点検を要する機器の所在・使用状況がリアルタイムに確認できるようになった.

【考察】
 位置情報システムにて機器の所在管理が正確かつ自動化され,スタッフの業務量軽減が図れたと考えられる.患者転棟時における機器の付け替えをなくすことで安全性の向上にも繋がると思われる.また,高額機器の作動状況や運転時間把握ができるようになったことや,使用したい機器の所在だけでなく,点検を要する機器の所在・使用状況を調べる時間が短縮できることなど運用面での改善が期待される.

【まとめ】
 医療機器の利便性が向上し,院内で使用する機器が増加していくなか,今後は必要適正台数の把握調整が重要となってくる.機器管理や運用改善に活用していくだけでなく,コスト面での導入メリットを示していくため,位置情報システムを活用して機器使用状況を把握し,マネジメントしていくことが必要と考える.今後,システムを有用に使っていくためにも,実際に運用が改善した点について検討していくとともに,システム導入から運用開始後の問題点をまとめ,課題の抽出にも取り組んでいきたいと考えている.

CLOSE
© 2018 第8回中四国臨床工学会. All Rights Reserved.
Produced by オンライン演題登録システム・査読システム|演題登録.com|