一般演題[ ME機器(評価・システム)]
O-070
輸液ポンプチェッカー「IPテスター」の使用経験と流量精度
岸田 透、西原 博政、小川 昌之、竹原 知保、本田 悠希、喰田 由美
国立病院機構 福山医療センター ME管理室
【はじめに】
当院では,輸液ポンプの流量精度及び閉塞試験に,フルーク社製IDA4-PLUSを用いている.今回発売されたトライテック社製IPテスターは輸液ポンプの流量精度及び閉塞圧を測定する機器である.特徴として,コンパクトで廃液のない閉鎖回路のため,持ち運びができ測定場所を選ばず,また流量精度と閉塞試験を最短3分45秒で行う事ができる.今回,IPテスターを使用する機会を得たので,IDA4-PLUSとの使用感及び流量精度の比較を行う.
【方法】
輸液ポンプは,テルモ社製TE-161SとTE-261を使用する.IPテスターによる点検方法は,予め設定入力をパソコン上で行い,稼動していない機器から現場で点検を行う.IDA4-PLUSによる点検方法は,1台ごとに設定入力を行い,最大2台同時でME管理室で点検を行う.流量精度比較には,IPテスターとIDA4-PLUSの2機種を用いて同条件で実施し,t検定を用いて有意水準5%未満を有意差ありとする.
【考察】
IDA4-PLUSは,廃液があり据え置き型のためME管理室で点検を行っている.しかし輸液ポンプの稼働率は高く,他部署常設の輸液ポンプは,代替器と入れ替える必要があった.また点検時間は30分で実施しており,連続した点検が困難なことから,全台保守点検を実施するのに時間を要していた.IPテスターによる点検では,廃液もなく持ち運び可能なため,他部署での点検が可能となり,代替器の確保が不要となった.点検時間も大幅に短縮されたことで,連続した点検が可能となった.このことから,現場の業務に支障を与えずスムーズに点検が実施でき,尚且つ現場の業務と並行して行えるため,業務効率向上に繋がると考えた.また2機種での流量精度比較を行った結果,有意水準5%で有意差が認められたため,IDA4-PLUSに代わりIPテスターを用いて保守点検を実施できると考えた.
【結語】
IPテスターは,持ち運び可能で点検場所を選ばない特徴から,業務効率向上が図れる.その他にも,準備が簡単な事や,点検時間が短い事など,従来の点検と比較して多くの利点があった.また流量精度比較では,有意差が認められたため,IDA4-PLUSに代わりIPテスターによる保守点検も可能であると考えられた.
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