一般演題[ ME機器(評価・システム)]

O-069
ポンプ用輸液セットの性能評価

真鍋 葵、明神 健太郎、坂上 奈美子、松本 恵子、福岡 和秀
三豊総合病院 臨床工学科

【はじめに】
 当院では流量制御式の輸液ポンプTERUMO社製TE-161SAを使用している.ポンプ用輸液セット(以下輸液セット)導入時には臨床工学科が性能評価を行っており,現在2メーカーの輸液セットを使用している.この度新たに導入を検討するにあたり,医師より性能評価の依頼があった.今回各々の輸液セットにおける臨床使用への影響について評価する機会を得たので報告する.

【対象・方法】
 現在使用中の輸液セットを含む3メーカー4種類の輸液セット(A,B,C,D)を対象とした.A・BはPVCフリー,C・DはDEHPフリーである.A・Cは使用中,B・Dは検討中の輸液セットであり,B・Dは同一メーカーである.測定条件は流量120ml/h,閉塞検出圧M(30~90kPa)とし,平均流量,閉塞検出圧を比較した.測定には大正医科器械社製ポンプテスターIDA-4Plusを使用した.また,流量20ml/hで8時間×3日,合計24時間動作させた場合の積算量と警報の発生状況,終了時の回路状態について目視にて観察を行った.

【結果】
 平均流量はA:112.9±2.2ml/h,B:115.9±4.5ml/h,C:112.2±1.5ml/h,D:119.6±1.9ml/hであり,全てメーカーが定める流量精度である±10%以内であった.閉塞検出圧はA:56.8±9.2kPa,B:73.4±9.1kPa,C:49.1±5.8kPa,D:39.6±6.0kPaであり,全てメーカーが定める検出範囲内であった.24時間動作時の実測積算量はA:466±10.8ml,B:469±14.3ml,C:458±7.6ml,D:475±7.1mlであった.終了時,全ての輸液セットにおいてフィンガー部で気泡が認められた.

【考察】
 平均流量はメーカーが定める精度内であったため,臨床使用に問題はないと考える.閉塞検出圧もメーカーが定める範囲内であったがチューブ素材の違いによる特性が見られた.また長時間使用でフィンガー部に気泡が認められたが,これはモーターユニット駆動に伴いフィンガー部が熱の影響を受け,溶液内の溶存酸素が放出されたものと考える.

【結語】
 各々の輸液セットにおいて特性が見られたが,いずれも臨床使用に影響はないといえる.

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