一般演題[ 人工心肺・補助循環 ]
O-058
レーザー血流計 POCKET LDF の使用経験脳分離体外循環に使用して
谷山 未来也、冨貞 公貴、福田 翔太、常友 宏樹、山本 由美子、平賀 健一、松山 法道
山口大学医学部附属病院 ME機器管理センター
【緒言】
微小循環を計測するレーザー血流計 ポケットLDF(JMS 社製)を用いて,血液浄化療法中のバイタルサイン監視や,V-AECMO 時の下肢虚血評価などの報告がされている.今回,開心術の脳分離体外循環(SCP)時の脳血流評価にレーザー血流計を使用したので報告する.
【症例】
上行大動脈から左総頚動脈分岐部付近までの動脈瘤に対し部分弓部置換術を施行した.患者は64歳,男性.両側腋窩動脈送血にて体外循環(CPB)を開始し,直腸温24℃で循環停止,SCPを開始した.左総頚動脈と鎖骨下動脈間で末梢吻合を行い循環再開した.その後,左総頚動脈,腕頭動脈再建後にSCP終了,中枢吻合終了後にCPBを離脱した.右耳朶にレーザー血流計を装着し,麻酔導入後から人工心肺終了時までの血流量を計測した.
【結果】
麻酔導入〜CPB開始までの平均血流量は32.5mL/min,CPB開始〜SCP開始までの平均血流量は18.6mL/min,SCP開始〜SCP終了までの平均血流量は6.0mL/min,SCP終了〜CPB終了までの平均血流量は21.6mL/minであった.
【考察】
CPB開始前と開始後を比較すると,若干血流量が低下したが,CPB開始後は定常流,低体温となったことが要因ではないかと考える.耳朶は浅側頭動脈前耳朶枝の血流を反映しているため,脳分離体外循環時の脳血流評価が可能であると思われる.今回の症例でも脳分離体外循環中も少量ながら耳朶での血流が確認可能であった.今後も多くの症例で検討し,血圧,還流量,体温やPaCO2と耳朶血流量の関係を構築していきたい.
【結語】
脳分離体外循環時の右耳朶血流量を麻酔導入後からCPB終了時までレーザー血流計で計測した.脳分離体外循環時も血流が確認され,一つの指標となることが示唆された.
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