一般演題[ 血液透析(VA)]

O-052
シャント痛を軽減する高反発素材

門田 明正、安達 信俊、竹内 綾亮、松島 昌代、柴田 大明
医療法人社団水生会 柴田病院

【背景】
 fasciaとは筋膜myofascia,靭帯,神経鞘,皮下組織を含めた総称であり,疼痛の発生源の多くが,fasciaの癒着や滑走不全と言われる.色々な組織に存在するfasciaは癒着することにより動きが抑制され,靭帯の所見として,圧痛点や,トリガーポイントを形成し疼痛や痺れを発生させる.透析患者のシャント部も例外ではなく,頻回の穿刺により未修復組織だらけの穿刺部位では多くの圧痛点やトリガーポイントが形成される.

【目的】
 生食注射により組織間の癒着が重責した高エコー部が,癒着を浮かし,剥がれることによりfasscia同士の滑走性が改善され疼痛が改善することはよく知られている.シャントについても1分間シャントミルキング法としてマッサージを行い同様の効果を期待されている.当院でも透析前に施術している.今回エコー下で,ミルキング法と高反発素材も用いたマッサージを行いその効果を評価した.

【方法】
 シャント痛,シャント穿刺痛を持つ患者に,透析前に手技によるミルキングマッサージを行い,次に高反発素材を用いてマッサージを行う,疼痛の軽減と共にシャント周辺のfasciaの動きの変化をエコー下で評価する.

【結果】
 ミルキング法,比嘉式マッサージでは疼痛の軽減はできた.しかし血管下の筋膜のリリースは期待できなかった.これは徒手,指圧の限界を示唆した.高反発素材では疼痛の軽減と共に血管周辺の癒着の乖離,筋膜滑走が確認できた.高反発素材との皮膚の摩擦抵抗の特異性と,しなり効果を合わせた筋膜リフテイング作用と考える.

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