一般演題[ 内視鏡 ]

O-050
小腸カプセル内視鏡検査施行時におけるレコーダDR3のフリーズ事例に関する検討

妹尾 知怜(1)、大西 芳明(1)、小林 誠司(1)、藤井 有美子(1)、緒方 良輔(1)
北川 哲也(2)、田中 久美子(3)、六車 直樹(3)、高山 哲治(3)
  1. 徳島大学病院 診療支援部 臨床工学部門
  2. 徳島大学病院 ME管理センター
  3. 徳島大学病院 消化器内科

【はじめに】
 当院内視鏡センターでは臨床工学技士業務の一つとして,カプセル内視鏡検査(小腸カプセル内視鏡:2009年4月~,大腸カプセル内視鏡:2015年3月~)をサポートしている.我々は第28回日本臨床工学会(2018年5月26日,パシフィコ横浜)にて,小腸カプセル内視鏡検査施行時におけるセンサアレイが原因と考えられる画像欠損事例を報告した. 2018年1月~2月の冬場,小腸カプセル内視鏡検査(PillCam SB3 ,Medtronic)を施行したところ,検査開始時及び終了後にレコーダDR3がフリーズする事例を2例経験した.今回,小腸カプセル内視鏡検査終了時,レコーダDR3がフリーズした原因究明とカプセル内視鏡検査における安全対策について検討した.

【方法】
 2009年4月~2018年5月(約9年間)までに施行されたカプセル内視鏡検査について,後ろ向き調査を行った.また,レコーダDR3のフリーズについては医療機器メーカーに原因調査を依頼した.

【結果】
 カプセル内視鏡検査の総症例数は214例(小腸カプセル内視鏡:209例,大腸カプセル内視鏡:5例)であり,症例件数は年々増加傾向にあった.今回の事例では,小腸カプセル内視鏡検査終了時,レコーダDR3がフリーズし,RAPIDソフトウェアへの接続とダウンロードを行うことができなかった.医療機器メーカーからの調査結果によると,操作者(ゴム手袋未着用)とレコーダDR3が接触することで静電気が発生し,レコーダDR3が一時的にフリーズしたことが原因であった.画像にダメージは見られず解析可能であった.

【考察】
 静電気によるレコーダDR3のフリーズは,電気回路及びメモリー自体に影響を及ぼし,集積された小腸カプセル内視鏡検査の画像を解析できない可能性もある.レコーダDR3のフリーズ事例を受けて,カプセル内視鏡検査を施行する際には,操作者は静電気防止策として,ゴム手袋の着用を義務付けた.またレコーダDR3のフリーズ安全対策として,簡易マニュアルを作成し,スタッフに周知した.

【まとめ】
 カプセル内視鏡検査に関連した様々なトラブル事例に対して,臨床工学技士として安全対策を立て,速やかに対応できるようにしていきたい.

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