一般演題[ 内視鏡 ]

O-047
内視鏡トラブルにおける解析と方策

毛利 洋久、森 大祐、伊藤 弥里、山本 晃市、広瀬 卓哉、塩見 基
KKR高松病院 臨床工学科

【背景・目的】
 内視鏡検査や治療は,日々進歩しており多くの精密機器が存在している.内視鏡関連機器には内視鏡スコープ・画像転送システム・光源装置・ビデオプロセッサ・電気メスなどがあり,これらの機器が様々なトラブルの原因となる.また機器操作が不慣れな医療スタッフもいる為,トラブルを減少させるのは困難な状況である.そこで当院では,内視鏡スタッフの素早いトラブル対応やトラブル減少を目的にトラブルシューティングマニュアルの作成や業務の見直しを行ったので報告する.

【方法】
 2016年4月~2017年3月に内視鏡室にて臨床工学技士が対応したトラブルを収集し,内容を精査した.その内容を基に,業務改善やトラブルシューティングマニュアルの作成を行い,内視鏡スタッフ向けに勉強会を行った.また,介入前後のトラブル内容,件数の変動を比較検討した.

【結果】
 2016年4月~2017年3月のトラブル件数160件の内,スコープ関連トラブル:74件,画像転送システム関連:39件,内視鏡システム(プロセッサー,光源装置,CO2送気装置,モニター)関連:27件,その他(電気メス,洗浄機など):20件であった.介入後の2017年4月~2018年3月のトラブル件数は119件に減少し,スコープ関連のトラブル:41件,画像転送システム関連:19件,内視鏡システム関連:33件,その他:26件であった.

【考察・結語】
 トラブルシューティングマニュアルを内視鏡トラブルの7割を占めているスコープ・画像転送システム関連トラブルを中心に作成したことにより,それらのトラブルは減少傾向にあった.しかし,スコープ関連のトラブルにはDrからの訴えも多く,アングルの角度不足や画像の曇りなど,どうしても即時対応が不可能である場面もあった.これらのトラブルの更なる減少を目指すには日々のメンテナンスをこれまで以上に励行することが必要であると考える.また,マニュアルに記載していないトラブルに関しては,看護師では対応が困難なものが多く,今後臨床工学技士の人員配置や業務の拡充を考慮しなければならない.

【結語】
 臨床工学技士による内視鏡トラブルに対する介入は,トラブル減少や早期対応に有用である.

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