一般演題[ 血液透析(清浄化・HDF)]

O-036
当院でのHDFとHDにおけるインシデントの検討

伊豆元 勇樹、宮本 照彦、宮本 拓弥、竹田 千夏、久行 菜帆、荒谷 隆徳、山岡 遼平、藤槻 綾、白石 朋香、瀬尾 知恵美、林 勇介、豊田 昌充、川合 徹、川合 淳
医療法人 中央内科クリニック

【はじめに】
 血液透析濾過法(HDF)は,ヘモダイアフィルタの選択,補液量や血流量の条件設定など複雑な作業を要する.そのため,HDFは,通常の血液透析療法(HD)と比しインシデント増加の可能性が考えられる.
 今回,当院におけるHDFとHDの血液回路に関するインシデントを分析し検討した.

【方法】
 2017年1月から2018年3月までの報告された血液回路に関するインシデントレポートを集計し分析を行った.

【結果および考察】
 期間中に報告のあったインシデントレポートの総数は83件であった.インシデントレポートは,注射関連が最も多く14件,次いで失血が10件,除水関連が9件,透析条件関連が8件であった.血液回路に関するインシデントレポートは3件あり,全てHDFにおける接続関連であった.また,10件あった失血のうち血液回路に関する報告は8件あり,HDFが6件,HDが2件であった.HDFの内訳は,接続関連が4件,クランプ忘れが2件に対してHDは2件とも接続関連であった.
 失血を含めた血液回路に関する報告は11件あり,そのうち9件が接続に関する報告であった.また,接続に関する報告の約半数が補液回路との接続であり,HDFでは補液回路を血液回路に接続して用いることが影響していると考えられた.血液回路は接続部だけではなく,クランプやキャップなど,人が適切にセットする必要がある.そのため,目視だけではなく用手確認を行い,ダブルチェックを徹底することでインシデント抑制を目指している.また,適宜,事例を報告し,注意喚起を行っている.しかし,インシデント報告は一定数認めており,手技は徹底できていない.

【結語】
 血液回路に関するインシデントレポートは,HDFの方が多く,より注意深く準備が必要である. 

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