一般演題[ 血液透析(清浄化・HDF)]

O-035
オンラインHDFにおける4社コンソールのアクシデント対策について

福留 悠樹(1)、福留 悠樹(1)、田中 悠作(1)、竹内 教貴(1)、 道脇 宏行(1)、田尾 知浩(1)、岡田 一義(2)
  1. 社会医療法人川島会 川島透析クリニック 臨床工学部
  2. 社会医療法人川島会 川島透析クリニック 腎臓科(透析・腎移植)

【背景】
 オンラインHDF(以下:OHDF)は透析医療への期待が高い治療法であるが,HDに比べ操作性は煩雑となることから重大なアクシデントが発生する可能性も危惧される.  当院では東レ社製TR-3300M(以下:TR),日機装社製DCS-100NX(以下:DCS),ニプロ社製NCV-3i(以下:NCV),JMS社製GC-110N(以下:GC)の多用途透析装置(以下:コンソール)を導入しており,4社の操作性や安全機能が異なっている.

【目的】
 4社コンソールにおけるOHDF関連のアクシデントと,安全機能について検討した.

【方法】
 3年間で発生したアクシデントで4社OHDFに関連するアクシデントを抽出し,重大事故に繋がる可能性のある①補液回路未プライミング(以下:未プライミング),②置換量,置換速度の未入力および誤入力(以下:置換量間違い),③Pre・Post間違い(以下:接続間違い)に対する4社のアクシデント件数と安全機能について検討した.

【アクシデント件数結果】
①TRは3件,DCS,NCV,GCは0件だった.
②TRは2件,NCVは6件,DCS,GCは0件だった.
③TRは3件,GCは5件,NCVは2件,DCSは0件だった.

【安全機能結果】
①TR,NCVにおいては補液回路に気泡センサが装着されていた.
②DCS,GCでは置換量間違いに対応できたが,TR,NCVでは未入力のみの対応であった.
③DCS,NCV
にはPre・Postを選択する機能(以下:選択機能)が備わっていた.

【考察】 ①気泡センサとアクシデント数に関連は認めず,4社ともに安全性は担保できているが,NCVでは未然に未プライミングを防止できた事例を経験した.機械的に気泡を検出する気泡センサにより,更に安全性の向上に繋がると考えられる.

②置換量間違いを検出する機能はOHDFを安全に行うため必須であり,置換量間違いへの対応は急務と考える. ③4社ともに接続間違いへの有効な対策は認めなかった.DSC,NCVには選択機能があり,アクシデントを予防出来ると考えられたが,OHDFの安全性向上には更に機能を追加,改善する事が必須である.

【まとめ】
4社のOHDFの安全機能は一部改良,改善する箇所があるも,有効に機能している.今回得られた結果を4社へ還元することで,今後の開発材料の一部となることを期待したい. 

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