一般演題[ 血液透析(清浄化・HDF)]
O-034
セントラル透析液供給システムの状況が院外から把握できる
簡易情報連絡端末装置導入とその有用性
佐貫 健太郎(1)、石原 一毅(1)、有田 冴織(1)、加藤 桃果(1)、
長本 綾乃(1)、岡崎 翔太(1)、山野 雄貴(1)、松重 恭平(1)、
井上 透(1)、戸田 孝(1)、熊谷 有起(1)、近藤 隆司(1)、
西 宏行(1)、氏家 一尋(2)、橋本 洋夫(2)、河本 紀一(2)
- 日立造船健康保険組合因島総合病院 臨床工学部門
- 日立造船健康保険組合因島総合病院 内科
【はじめに】
セントラル透析液供給システム(CDDS)は多くの場合,逆浸透精製水製造装置,A,B粉末自動溶解装置ならびに多人数用透析液供給装置の4つの装置で構成される.これらの装置は血液透析療法終了後,洗浄工程に入り,早朝には稼働を始め,血液透析の準備工程を開始する.いずれかの装置に異常が起こると透析液は作成されない.当院では,2017年8月から簡易情報連絡端末れんら君(NKE社)を導入し,CDDSに異常が生じた場合に,担当者へメールが送信されるシステムを組み,その有用性について検証した.
【方法,対象】
逆浸透精製水製造装置,A,B粉末自動溶解装置ならびに多人数用透析液供給装置を,各機器のリレーから銅線ケーブルを介して,れんら君と接続した.れんら君をインターネット回線に接続するため,LANケーブルを用いてルーターとれんら君を接続した.これにより4装置が異常(警報接点信号)を3分以上出力した場合,れんら君は担当者のモバイル端末へメールを送信する.メールを受け取った担当者が,れんら君にコマンドメールを送信することで,CDDSの現状をれんら君からメールで受け取れるように設定した.
【結果】
2017年10月3日14時23分,A粉末自動溶解装置と多人数用透析液供給装置が警報を発した.この原因は,A粉末自動溶解装置への粉末製剤の入れ忘れであった.なお本事例発生の時間には,医療スタッフが現場で従事していたため,警報はすぐに解除された.警報解除された際には,れんら君から警報解除メールが担当者に届いた.
【考察】
れんら君の導入で,CDDS異常の早期発見が可能となった.院外からでも消毒工程,送液状態が把握できる.そのため,消毒工程の入れ忘れの早期発見に役立ち,有益性が高いと考える.
【まとめ】
れんら君の導入で,CDDSの状態把握と異常の早期発見が常時,遠隔からでも可能となった.
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