一般演題[ 手術関連 ]
O-028
経頭蓋電気刺激筋誘発電位の刺激位置の検討
三好 知彦、久原 幸典、古味輪 凪沙、松永 健汰、久保田 博隆、中矢 亮、横山 雄一、白川 憲之
四国こどもとおとなの医療センター 医療機器管理センター
【目的】
当院では脊髄脊椎手術の際に経頭蓋電気刺激筋誘発電位(BrE-MSEP以下MEP)を行っている.MEPにおいて導出部位の波高値が高い事は手術を円滑に進める上で重要である.当院でのMEPは国際10-20法のCzより左右3cmの位置で刺激を行っているが,より高い波高値を得られないかと考えた.そこで我々は刺激位置の変更で高い波高値を得られるかの検討を行ったので報告する.
【対象・方法】
対象は2017年12月から2018年4月までの腰椎手術を施行した12例とした.手術開始前に刺激位置を従来通りのCzから左右3cmと4cm,5cmに変更して刺激し,左右の短母指外転筋(以下APB)と前脛骨筋(以下TA),短母趾屈筋(以下FHB)を導出部位として波高値を測定した.結果は平均値±SDで示し,各群間の比較にはマン・ホイットニーU検定で行い,p<0.05をもって有意差ありとした.
【結果】
それぞれの各導出部位の結果はLt.APB,Rt.APB,Lt.TA,Rt.TA,Lt.FHB,Rt.FHBの順に羅列する.刺激位置が3cmでは,540±394,674±620,261±336,293±234,793±754,867±1203.4cmでは883±1149,874±709,363±311,493±235,976±815,1092±1271.5cmでは1060±1259,1009±477,564±316,785±447,1387±874,1254±1094.3cmと5cmにおいてLt.TA(p=0.004),Rt.TA(p=0.003),Lt.FHB(p=0.037)で有意な差が得られた.
【考察】
結果より,刺激位置の変更を行うことで導出波高値の平均値に有意な差が得られたのは,3cmと5cm間比較においてのLt.TA,Rt.TA,Lt.FHBのみであった.また,全ての導出部位で刺激位置を外側にずらしていくと波高値は高くなっていることから外側に刺激位置をずらすことで高い波高値を得られることがわかった.これらのことから,刺激位置を外側にずらすことで刺激範囲が広く,深くなり同じ出力でもしっかりと刺激が伝わっていると考えられる.
【結語】
MEPの刺激位置は,従来の3cmよりも5cmにすることでLt.TA,Rt.TA,Lt.FHBにおいては高い波高値を得ることができた.その他の部位でも今後検討していきたい.
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