一般演題[ 手術関連 ]

O-025
過去4年間における当院NavigationSystem手術
‐複数の診療科と複数の方式‐

長尾 和昌(1)、豊田 英治(1)、原 有里(1)、岩戸 大征(1)、中川 章平(1)
野口 友希(1)、中野 俊次(2)、上田 博弓(3)、田村 公一(4)
  1. 徳島市民病院 診療部 臨床工学室
  2. 徳島市民病院 診療部 整形外科
  3. 徳島市民病院 診療部 脳神経外科
  4. 徳島市民病院 診療部 耳鼻咽喉科

【背景】
 当院では2014年1月から手術室業務としてNavigationSystem(ナビ)の操作,保守管理業務を開始した.2014年1月耳鼻咽喉科,同年3月整形外科,2017年11月脳外科に導入している.装置は2方式3台あり,Medtronic社Stealth Station S72台(光学式,磁場式),Stryker社CT-based Hip Navigation System1台(光学式)である.臨床におけるナビの優位性は周知の通りであるが,各診療科に対してCEが提供する業務内容に違いがある.今回はその違いを診療科別,方式別に比較し考察する.

【現状】
 当院でナビを用いる手術は年間約220例実施され,過去4年間で914例であった.CEは通常1名,重複時2名で対応している.業務内容は診療科や術式によって異なり,術中操作を行う手術では,医師,看護師と連携(術前計画,操作,計測,記録,器械指示他)して手術を進める.一方,術前準備のみを行う手術の場合は,術中は立ち会わず緊急対応を行っている.術中対応は664例で,全体の約72%にあたる.方式別の術中対応は,光学式で100%,磁場式で2%であった.

【考察と結果】
 ナビの原理の違いが操作性の違いとなっていた.光学式は,金属インプラントの使用が可能であるが,赤外線の遮蔽問題から本体操作をCEが行う.一方,磁場式は認識応答性が安定しており,術野から遠隔操作も可能なため医師が操作している.脳外科は磁場式を採用しているが,腫瘍までの距離計測など複雑な操作が必要なためCEが立ち会っている.

【今後の課題】
 ナビのトラブルは手術の中断に繋がるため,迅速な対応が求められる.CEが立ち会う場合,  即時対応が可能だが,立ち合いなく緊急時対応する場合,問題解決には知識と経験,スタッフとの意思疎通が重要となる.また内視鏡,HIS,手術顕微鏡といった周辺機器と複雑に連携していることから,当該機器の知識も必要となる.現在2名がトレーニングを修了し対応しているが,今後は全てのCEが対応できる体制を確保したい.

【結語】
 ナビは機種,方式によって操作性が大きく異なり,ガイドラインに示された業務は病院の内情に合わせて適応する必要がある.緊急時は機器の知識をもつCEが手術スタッフと情報共有することでほとんどの事例で院内解決することが可能である.

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