一般演題[ 手術関連 ]

O-022
臨床工学技士初入職から2年経過するにあたり
‐臨床工学課と倉敷ニューロモデュレーションセンター立上げを経験して‐

高須賀 功喜、樽井 慎、上利 崇
倉敷平成病院 臨床工学課 倉敷ニューロモデュレーションセンター

【背景】
 当院は2017年4月より倉敷ニューロモデュレーションセンター(NMセンター)を設立した.ニューロモデュレーションとは神経調整療法のことであり,当NMセンターでは脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)と脊髄刺激療法(spinal cord stimulation: SCS)を専門に行っている.演者は臨床工学技士(CE)として,過去5年間にわたりNM療法に携わっており,2016年9月に初入職し,臨床工学課を立ち上げた.今回CEが入職してから2年経過するにあたり,臨床工学課とNMセンターの立上げを経験したので報告する.

【方法】
 CEが医療機器安全管理責任者となり以下の業務を実施した.1)医療機器の一元管理,2)生命維持管理装置の保守管理,3)医療機器勉強会の開催,4)NMセンター業務である.次にNMセンターでは医師の指示のもと,以下の業務を実施した.1)DBSやSCSの手術の立会い,2)病棟や外来における刺激調整,3)患者や家族への治療機器や充電方法の説明や指導,4)多職種による回診と症例検討会への参加を実施した.

【結果】
 2017年度の業務実績では,医療機器点検は541件,修理依頼は75件,人工呼吸器稼働中点検は131件,勉強会講師は7件であった.次にNMセンターの業務ではDBS手術は 90件,SCS手術は41件,SCSの入院における刺激調整は50件,SCSの外来における刺激調整は136件であった.全症例においてCEが診療に関わった.多職種と密に連携を図り,治療方針の共有や治療状況を把握することで安全で円滑な診療を行うことができた.

【考察】
 前職での経験を生かすことで臨床工学課の立上げを順調に実施できた.CEが専門知識を生かすことで医療機器の安全管理が早期に実現することが可能である.NMセンターでの業務では,CEがDBSやSCSの診療に積極的に関わることで医師の負担を大きく減らすことが可能である.周術期のSCSの調整では限られた期間内に最大限の効果を出すために,CEも患者の症状と電極位置の関係を十分に把握しなければならないと考えられた.

【結語】
 当院において臨床工学課の立ち上げ及び運営は問題なく行えた.NMの診療においてCEが活躍する業務は多岐に渡った.今後,多職種と共同して業務拡大を行い,NM診療におけるCEの業務の確立に努めていく予定である.

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