一般演題[ ME機器(安全対策)]

O-021
モニタアラーム設定・運用の標準化によるアラーム低減への取り組み

北尾 翔、藤原 弘昌島 千秋、杠 隆之、足羽 雅
鳥取市立病院 臨床工学部

【はじめに】
 生体情報モニタの使用は,患者状態の変化の把握や致死性不整脈の早期発見に重要である.当院ではモニタアラームに迅速に対応するため,平成30年度より,一般病棟に設置する生体情報モニタについて,そのアラームをPHSに通知する連携システムの導入を予定している.

【課題と対策】
 現状では,各担当看護師が個人の判断でアラームを設定しており,不適切なアラーム設定等による無駄鳴りが多く見受けられるため,PHS連携システム導入にあたっては適正なアラームコントロールが重要となる.そのため,アラームの無駄鳴りを低減する対策の一つとして,アラームの初期設定や運用について見直す必要があると考えられた.

【取り組み】
 一般病棟を対象にモニタアラーム件数を調査した.期間は2018年1月11日から3月11日までの60日間,セントラルモニタ(フクダ電子製:DS-8900)のアラームリコールデータを確認し,アラーム発生件数およびアラーム内容を集計した.その結果より,適切なモニタアラーム初期設定および,運用方法について検討を行いその標準化を図った.

【結果】
 モニタリング患者数は延べ225人,総アラーム件数は14921件,平均モニタリング患者数は3.75人/dayであった.1人当たり平均73件/人のアラームが発生し,全体のうちAPNEAが47%とその多くを占めていた.なお,呼吸アラームの発生要因について,その多くは不適切な電極貼り付け位置による抽出不良によるものであった.また,緊急性の高いアラームは全体の2.5%であった.
 集計したデータを基に,発生割合の高いアラームについては,院内RRSの起動基準を参照のうえ,各診療局および看護部と協議を行い,アラーム初期設定値を定めた.加えて,アラームが頻拍する患者については,必要に応じてチーム内で協議を行う運用とした結果,一定のアラーム低減効果が認められた.

【結語】
 モニタアラームの初期設定や運用方法の標準化は,アラーム低減に有効であったと思われる.ただし,チーム内協議が適正に行われていない場合も認められるため,今後,MACT(Monitor Alarm Control Team)の導入など,より適切で安全性の高いモニタ管理に努めたい.

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