一般演題[ ME機器(安全対策)]

O-019
当院における医療機器安全使用のための研修会運営に対する工夫と評価

田原 整人、斉藤 友貴、末廣 晃一、小室 みさき、松本 優、野村 知由樹、中野 賢治
医療法人医誠会都志見病院 臨床工学科

【はじめに】
 医療法における医療機器の安全使用と管理体制整備の1つとして医療機器の安全使用のための研修の実施が義務付けられている.当院では平成4年度から医療機器に関する研修を実施してきたが,平成28年度から日勤帯に臨床工学技士(CE)が各部署に赴いて研修を行う出張研修会を開始した.終業後に集まって行う全体研修会(以下全体研修会)と日勤帯に各部署に赴いて行う出張研修会(以下出張研修会)について評価を行ったので報告する.

【方法】
 各部署の看護師と研修会を担当するCEに全体研修会と出張研修会に関するアンケートを実施するとともに研修会参加人数の推移を集計し出張研修会の有効性を評価した.

【結果】
 出張研修会導入後の研修会参加人数は導入前の約8倍となった.看護師へのアンケートの結果,全体研修会に積極的もしくは時々参加している人(以下1群)69%,全く参加していない人(以下2群)31%であった.
 1群で出張研修会に積極的に参加している人が96%で,参加理由は業務上必要87%,出席は義務6%,その他7%であった.2群で出張研修会に積極的に参加している人が70%で,参加理由は業務上必要72%,出席は義務14%,その他14%であった.
 出張研修会への意見は,出席しやすくなった88%,業務時間中の開催は助かる53%,質問しやすくなった44%であった.
 出張研修会の運営や講師を担当するCEの負担は10段階評価(10が負担最大)で平均4.2だった.

【考察】
 出張研修会を実施するようになって受講者が大幅に増えた.出張研修会に対して日勤帯の開催は職員がその間は減るので迷惑という意見や,時間が短いため内容の質が下がったという意見が出ると思っていたが,意外にも日勤帯の開催は助かるや,出席しやすくなったという前向きな意見が多く見受けられた.
 1群は2群に比べて出張研修会への出席率も良く,出張研修会に対する意見も業務上必要と考える人の割合が多く,義務としてではなく能動的に参加している人が多いので受講率が良いのだと思われる.
 2群の70%は出張研修会には積極的に参加していることが分かった.
 出張研修会を実施するようになって研修会への受講者が大幅に増加したことを考慮すれば,出張研修会の実施は院内における医療機器の安全使用に寄与できているといえる. 【結語】
 医療機器安全使用のための研修会を出張形式とし,成果を上げることができた.

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