一般演題[ ME機器(安全対策)]

O-018
医療機器安全管理責任者としての活動と課題

山中 英樹、藤井 義久、錦織 伸司、宮里 恵美、福島 成文、福間 優太、
杉原 克彦、安達 恭子、渡部 尚人、藤原 哲造、永田 光葉、井関 慧、
藤井 大輔、三島 千秋、杠 隆之、足羽 雅
島根県立中央病院 医療技術局 臨床工学科

【はじめに】
 医療機器安全管理責任者(以下責任者とする)は,院内の医療機器の安全・教育・保守計画等を管理する役割を担う.また,医療機器安全管理料を算定する上ではその配置が必須となっている. 当院では,2012年の設置当初より臨床工学技士が病院長よりその任を請け,試行錯誤を重ねながらその任を遂行している.今回,責任者として5年間の活動を報告するとともに,今後取り組むべき課題についても報告する.

【結果】
 当初の責任者は日常業務との兼務で担当しており,その業務内容は,医療機器安全管理委員会の実施,保守点検計画の策定,医療機器が起因したと考えられる医療事故への対応,医療機器に関連する電気および医療ガス等の設備面の状況把握であった.現在の業務内容は,医療機器安全管理委員会の実施,保守点検計画の策定および実績の評価,医療機器安全研修の実施,医療機器不具合報告の実施,医療安全推進室との連携,医療事故対策委員会への参加が主な業務である.

【考察】
 医療機器安全管理料を算定施設において臨床工学技士が責任者として配置されている病院は70%弱との報告がある.責任者の業務内容から見ても医療機器の保守管理を業とする臨床工学技士がその任に適していると考える.当院では10年以上前より院内全医療機器を情報管理するシステム「匠」があり,ライフサイクルの情報を臨床工学技士が網羅していたという土壌があった.
 そして医療機器安全研修についても日常的に各部門または業者との連携が密であるため,新規導入機器の説明や各部門からニーズのあった勉強会の開催などレスポンスよく実施できると考える.  また,インシデントや監査・審査への対策についても迅速に対応する事が可能となる.

【問題点】
 病院機能評価機構の審査では医療安全研修の参加率100%が求められているが,医療機器については全職員を対象にした研修を実施できていない現状がある.理由は医療機器に関して全職員を対象にできるテーマが限られている事にある.今後,関係団体の指針や他施設の動向等を見ながら管理者として方向性を見出していきたい.

【結語】
 医療機器安全管理責任者はその業務内容から臨床工学技士が適していると考える.
 5年間の活動を経て業務内容は設備的な安全対策から総合的な安全対策へとシフトした.
 研修方法と内容については今後も検討すべき課題である.

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