一般演題[ 学生・研究 ]
O-013
二自由度振動系の固有振動数の簡易計算法について
太田 瑠々、石原 国彦
徳島文理大学 保険福祉学部 臨床工学科
【はじめに】
振動とは,状態が一意に定まらず時間とともにたえず繰り返す現象をいう.医療現場においても振動現象が深く関わっている.例えば人工心肺装置を構成する遠心ポンプなどは回転することにより遠心力が発生し,振動を誘起させる.そこでは固有振動数で振動が大きくなる共振現象が最も身近である.
1自由度系の固有振動数は容易に求めることが出来るが,2つの1自由度系が結合された2自由度系の固有振動数を求めることは簡単ではあるがこの系の固有振動数がパラメータの変化でどのように変化するかは予測しにくい.そこで本研究では,減衰のない2自由度振動系の固有振動数を簡単に評価するため,多くの解析を行いそれらの結果の傾向(質量比と固有振動数の関係)を分類して簡単に固有振動数を評価する手法を提案する.
【方法】
考察の対象とした2自由度振動系はばねと質点からなる1自由度系を直列につないだ2自由度系で一端を固定,多端を自由とした系とする.この系は具体的に述べれば片持ち梁の振動を考えていることになる.固定されたばねのばね定数をk1,そのばねに取り付けられた質量をm1,その質量に取り付けられたばねのばね定数をk2, そのばねに取り付けられた質量をm2とする.ばねk1の一端は固定されており,質点m2は自由である.
この振動系の運動方程式は質点1(m1)および質点2(m2)の変位をそれぞれX1,X2とすれば,慣性力と復元力の釣り合いから得られる.これらは2階の定数係数線形連立常微分方程式である.今自由振動を議論するので右辺を0とした同次方程式を扱うことにする.
解をX1=A1sinωt,X2=A2sinωtと仮定し,これらの微分方程式に代入すると,A1,A2を未知数とする同次連立方程式が得られる.これら未知数が0以外の解を持つ条件からこれらの方程式はλ=ω2の2次方程式となる.この2次方程式を解けば解λ1,λ2(λ1<λ2)が得られる.これらが固有値と呼ばれるもので,ωi=√λi,fi=ωi/2πとして固有振動数が求まる.これらの式をEXCELLで解き,図に表すことで,質量比の変化に対する固有振動数の変化を容易に知ることができる.
【結果と考察】
2自由度系の固有振動数が質量比やそれぞれの固有振動数の値でどのように変化するかが容易にわかるようになった.
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