一般演題[ 血液透析(患者管理)]
O-007
透析患者に対する透析下肢救済チームの役割
平井 沙季、川原 勁介、山崎 さおり、岩田 康伸
KKR高松病院 血液浄化センター 臨床工学科
糖尿病性腎症患者の増加や透析の長期・高齢化により,透析患者における末梢動脈疾患(PAD)が増加してきている.当院では,糖尿病性腎症が主要原疾患となる慢性維持透析患者が51%であり,全国平均の38.8%に比べ多くなっている.また,循環器疾患を抱えている患者が多いことや,P・Ca上昇による動脈硬化や石灰化などからも下肢虚血に陥りやすい.加えて,下肢虚血を呈していても糖尿病性神経障害により自覚症状が無い患者や,活動性が低いことによる跛行症状が現れないような無症候性の患者も存在する.そのため,当院でも年1回の足関節上腕血圧比(ABI)をはじめ,定期的なフットケア・フットチェック・下肢聞き取り調査を行ってきたが,PADの発見が遅れ重症化し下肢切断まで至った患者も存在する.下肢切断を受けた患者の背景には糖尿病性腎症があり,いずれにおいても足に対する興味が薄いということが足病変の気づきに遅れた原因の1つであると考えられた.また,これまでは各職種が個々で患者の足病変についてチェックを行っており,情報共有等の連携が上手く図れていないという現状もあった.そこで,患者ADL・QOL維持のためには足病変の早期発見が重要であると考え,正確かつ定期的なフォローを行うためにCE・Ns・Drによる下肢救済チームを結成した.下肢虚血のため傷の治癒までに時間を要するような患者が多いこともあり,このチーム結成に伴い足先までの虚血状態を調べることができる還流指標(PI)を導入し,下肢の評価方法の1つとして取り入れた.今回,下肢救済チーム結成に至るまでの過程や運用・取り組みについて紹介する.
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