一般演題[ 血液透析(患者管理)]

O-002
透析患者におけるSurvival Indexの有用性の検討

岡崎 翔太(1)、石原 一毅(1)、加藤 桃果(1)、有田 冴織(1)、長本 綾乃(1)
山野 雄貴(1)、松重 恭平(1)、井上 透(1)、戸田 孝(1)、熊谷 有起(1)
佐貫 健太郎(1)、近藤 隆司(1)、西 宏行(1)、氏家 一尋(2)、橋本 洋夫(2)
河本 紀一(2)
  1. 日立造船健康保険組合因島総合病院 臨床工学部門
  2. 日立造船健康保険組合因島総合病院 内科

【はじめに】
 透析患者の死亡危険因子は多くの場合,お互いに密接な関係がある.Survival Index(以下SI)は,DOPPS(Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study)のデータから,新たにKandaらによってリスク因子同時評価指数として開発された.SIは米国DOPPSデータの60歳以上の患者データで多変量回帰分析を行い開発されているため,本邦における有用性は確認されていない.本研究では,SIが本邦でも有用であるかを検討する目的で行った.

【対象・方法】
 因島総合病院で血液透析を施行した90名の患者(外来79名,入院11名)を対象とした.統計解析にはEZR(Version1.35)を使用し,受信者動作特性曲線(ROC)を用いて下方面積で精度,カットオフ値を評価した.またSIについてKaplan-Meier生存曲線から,log-ranktestで5年生存率を比較した.GNRIとの関係性は,Pearsonの相関係数を用いて検討した.

【結果】
 ROCからSIの下方面積は0.826であり,単項目で最大値であった血清アルブミン値0.705よりも精度が高く,カットオフ値は16.8であった.カットオフ値16.8で2群に分け,5年生存率を比較したところ,高SI群で5年生存率が高かった.

【考察】
 本研究で,複数の変数を含むSIが,血液透析患者の死亡率をより正確に予測できることが示された.またSIとGNRIとの間に強い正の相関を認めたため,SIを用いることで,栄養状態を定量的に判断できると考える.

【まとめ】
 SIは血液透析患者のリスク因子同時評価指数として本邦でも有用といえる.

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