地域の医療機器安全管理普及を目的とした技士会活動
〜中小医療機関向け医療機器保守点検のあり方に関する研究との協働〜

野村 知由樹⁽¹⁾、青木 郁香⁽²⁾、福原 正史⁽²⁾、田原 整人⁽¹⁾、古川 宏⁽¹⁾

1. 一般社団法人山口県臨床工学技士会
2. 中小医療機関向け医療機器保守点検のあり方に関する研究　研究班

　第5次医療法改正（平成19年施行）において，すべての医療機関を対象に「医療機器に係る安全確保のための体制の確保」として，従事者に対する医療機器の研修や保守点検の計画策定と実施などが義務づけられた．
　しかしながら，臨床工学技士のような医療機器の専門家が不在または少数である中小規模の医療機関においては保守管理に対する取り組みが不足していることが予想される． 平成27年度〜29年度厚生労働行政推進調査事業費補助金「中小医療機関向け医療機器保守点検のあり方に関する研究」研究班（以下，研究班）では，中小医療機関において医療機器の保守管理が定着するためには，理解しやすく現場の業務フローに沿った保守点検のガイドライン，帳票類作成ツールなどの保守管理のためのスタートアップキットの提供が必要であると考え「医療機器安全管理導入支援パッケージ（仮称）」（以下パッケージ）の作成を行った． 今後，このパッケージを多くの施設に使用してもらうための普及活動が重要であることは言うまでもなく，精力的に活動を進めていく必要がある．
　その方法のひとつとして，都道府県臨床工学技士会に研究班が作成したパッケージを活用してもらい，医療機器の専門家が不在または少数である中小規模医療機関に対し医療機器安全管理を普及啓発していくこと考えた．
　この度，モデルケースとして一般社団法人山口県臨床工学技士会主催「第20回ME機器セミナー」を開催したので，その内容と成果，問題点などについて報告する．

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