BPA2-3

タイマーシステムを用いた閉鎖空間内行動モニタリングシステムの開発

金山 凌(1)、竪元 将己(2)、池上 咲(3)、下峰 永子(4)、西手 芳明(1)
  1. 近畿大学 生物理工学部 医用工学科
  2. 日本赤十字社和歌山医療センター 臨床工学技術課
  3. ベルランド総合医療病院 臨床工学室
  4. 和歌山県立医科大学付属病院 臨床工学センター

【はじめに】
 今日,一人暮らしの高齢者が増加傾向にあり,トイレや浴室など閉鎖空間における体調の異変が危惧される.閉鎖空間における体調の異変は発見が困難であり,処置が遅れてしまうと重篤な状態に陥る場合が想定される.このことから警報とメールにより閉鎖空間における異変を外部に知らせるシステムを試作した.また,警報発生後でも重篤な状態でない場合は,異変がないことを再通知するシステムも試作した.

【方法】
 圧力センサ3つ(入退室,在室,アラーム解除用)とフォトレジスタ(照明用)をパーソナルコンピュータと接続し,プログラミングソフトVisual Basic®2017を用いて,センサ及びタイマーを制御することで閉鎖空間の入室から在室および退室時間を測定できるシステムを構築した.このとき体調異変が発生した場合を想定し設定時間を超過した時点で警報が発報するよう設定を行った.
 設定は,照明点灯(フォトトランジスタ)→照明用タイマー始動→出入り口マットを踏む(圧力センサ1)→入室用タイマー始動→椅子に座る(圧力センサ2)→入室用タイマーが在室用タイマーに切り替わる→着席5秒後→警報発報→着席10秒後異変通知メール送信,その後異変が無い場合は解除スイッチ(圧力センサ3)によって異変がないことをメールで再通知する,という方法を用いた.また,体調異変中に誤って解除スイッチが反応した時を考慮し,照明用タイマーが90秒経過すると,警報が発報しメールの送信を行うシステムとした.

【結果】
 照明点灯によりフォトレジスタおよび照明用タイマーが始動し,消灯までタイマーは作動し,圧力センサ1の反応により入室用タイマーが作動し,圧力センサ2が反応するとタイマーは在室用タイマーに切り替わった.また在室用タイマーが5秒を超えると警報が発報,10秒を超えると異常通知メールが送信されることを確認し,その後圧力センサ3が反応すると異常がないことを通知するメールが送信されることを確認した.さらに,在室用タイマーが90秒を超えると警報が発報しメール送信することを確認した.

【考察】
 閉鎖空間内における経過時間を測定することで外部に異変を通知するシステムを作製した.しかしながら,人の行動は多種多様であることからセンサの設置方法や精度向上が必要であると考える.

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